1月 202013
 

演劇がやりたくてオーストラリアへ留学。そのまま流れでメディア、ジャーナリズム関連の大学へ
進学し、合計で5年間過ごす。その後、3ヶ月日本に戻って生活するが、
新しい価値観を知ってしまったため日本に戻ることに価値を見いだせなくなってしまった。
そんな折、知り合いのフィリピン人神父を通してフィリピン渡航のチャンスを得る。
その後現地で腰を据え、屋外広告の印刷事業を行なっている。

 

自分が出会ったことない価値観

フィリピンはカトリックの国で自分もカトリックなんですよ。
それでもともと知り合いの神父様を通してフィリピンに行く機会を得ました。
神父様は現地のパートナーを紹介してくれ、広告代理店出身の日本人パートナーと一緒に
僕は彼の通訳としてフィリピンに行きました。もともとは現地の従業員に生産を委託して
それを日本に送るだけでいいと思ってたんです。

だけどここの市場でやらないといけないってすぐになったんですよね。
そうするとローカルの人たちを知るという作業から始まり、僕が残って
がっちり信頼関係作りから始めました。

そこで従業員の子たちと出会えて、彼らはいつも笑顔だし、ポテンシャルを秘めてることを知った。
この国に来たのも縁だと思ったし、自分が出会ったことない価値観だったので
じゃあここでやってみようと思うようになりました。

 

屋外広告

店舗の内装や看板を作ったりします。また僕やグラフィックアーティストですと
デザイン制作をしたりコンセプトを決めたりします。お客さんからもらったデータや
自分たちで作ったデータを制作して機械に落としこむ。

そしてその場所に合った素材を選んで、印刷して加工して、日本に送ったり。
ローカル(フィリピン)だと店舗に取り付けに行ったり納品に行ったりします。

日本からきたデザインを加工するという作業では、デザイン上トレースという加工をするのですが、
たくさんあると時間がかかってしまう。そういった作業をこちら側がやる。
デザイナーを何人かおいて、日本からきたものを加工して日本に送ります。

だけど大型の看板などうちで作れないスチールやステンレスのフレームは
他の業者さんにお願いしたりしていますね。

 

生きているというモチベーション

ここでみんなとものを作ることに魅力を感じてます。仕事はなんでもいいのかもしれない。
そこでお互いに文化や生き方を学ぶ。
それは僕にとって生きてるというモチベーションを与えてくれます。

また、僕が今嬉しいと思うのは、現地の従業員だけで仕事がまわる状態になったことなんです。
例えばなんですけど、どういう素材を注文すれば無駄なく印刷できるのか?とか、どうすれば早くお客さんに届けることができるのか?シフトはどうするのか?と自分たちで考えてやること。

もともと役割しかやらせないっていうのがフィリピン人をマネージメントするうえでは多いと思うんで。
そうやって一緒に成長していけることは楽しいですね。

 

どれだけ彼らと視線を合わせるか

最終的には人間同士なので、コミュニケーションを取るためには
フィリピンのバックグランドは知らないと行けないし、自分のことも知ってもらいたいですね。

足りない部分で日本のいいところはストレートに伝えるし、
向こうのいいところはストレートに受け止めます。

実際、貧富の差もあります。自分はその階段を上り下りできて、
フォード(フィリピンの中でもリッチな地域)とかに行って、お客さんに会ったり、
ホテルで食事をするとかお客様の接待をするとかいいところに行くこともできるんですよ。
そういうところの振る舞いを覚えるのも大事。

だけど、僕の業種だと従業員はみんなスラムだったり小さな家に住んでる人が多いので
そういう世界は知らないんです。

だから僕がどれだけ彼らと視線を合わせるかが大事です。

僕が受け止めてもらえるためにしていくにはどうするか?

3日間寝ずに一緒に制作作業もしましたし、納品も行ってたし、
交通手段ではジプニーを使ったりしてました。みんなの家に行って、
サリサリストアー(小さな売店)でみんなで道端でお酒飲んだり、自然とみんなのことを
知りたいと思っていたので。

家に転がり込んで夕食を食べさせてもらったりもして、どんどんローカライズされていきました。

そうでないと受け入れてもらえなかったですね。
しかし、このことは苦ではなく意識しないで自然に楽しく経験していました。

 

飛び込む力、違いを楽しめること

英語を喋れるのは自動車免許のようなものですね。それよりも文化適応能力。
どこ行っても自分らしくあれて、違いを喜びだと思えること。

たどえばどこかの国に行って、「日本の国のほうが楽だよなー」っていう文句で入る違いと、
「うわーこんなことが違うんだー」っていう喜びで入る違い。
それができる日本人が増えるべきだと思いますね。
そして世界どこに行ってもチャンスはあって、色んな出会いがあって生きていく術は
いっぱいあると思います。

これっていうスキルではないんですけど、飛び込む力、違いを楽しめることが大事ですね。

 

どこに行ってもすぐその場所にローカライズされること

もっと従業員の子たちが完全にこの会社をまわしていけるようにしたい。
もっと色々わかってもらいたい価値観もあって、一緒に仕事していきたい。

自分自身が体現したいことは、違いを楽しみ、どこに行ってもすぐその場所にローカライズされること。

人を見て生活を知る。その場所で仕事する上でも、生きる上でも一番重要。
仕事を通して、そういったことを若い人と一緒にできるといいですね。
ポテンシャルがあるものはどんどん世界に出ていく。それは商品じゃなくて人だったりとか。
そこでその人の価値観も変わっていってほしい。

最近、鞄を作ってるデザイナーの子と一緒にいろんな国に行くことがあるんですが、
彼の気持ちは変わっていって、新しいデザインの価値観が増えていく。
彼自身も変わっていく。
そして今度は社員の子たちにそれを伝えていくべきだと思いますね。

 

一歩踏み出せば新しい価値観に出会える

外を知ったら同じとこには住めないです。一つだけの価値観にこだわることが
どれだけ自分の視野を狭めて、どれだけ出会いのチャンスを失くしているか。
それがつまり違いを楽しめることだと思います。

一歩踏み出せば新しい価値観に出会える。

それを自分の経験、成長にしていくともっともっといろんな人に出会える。
それで英語が喋れると2倍、3倍、人に出会えて、考え方も増える。

今まで就職だったら日本だけだと思うじゃないですか。
だけど英語が喋れたらシンガポールでも他でも選択肢がもっと増える。
もっと多様性のある人間になれます。
その楽しさを知ったら日本に戻れないですね。生きる場所が増える。
そしたらめちゃめちゃ楽しいんじゃないでしょうか。

 

インタビューを終えて

堀さんは非常に明るい方で、気さくな方だった。学生時代は留学したりバックパッカーで
色々なところに行ったみたいだが、外を知ってしまったら日本には戻れないという感覚は
共感できる考えであった。前回の記事で紹介した和出さんも仰っていたが、フィリピンに現在いるのはたまたまであり、何かの縁があったから。そしてこの国の違いを受け入れ、楽しんでいる。
そうでなければ現地ではやっていけないことを知った。

 Leave a Reply

(required)

(required)

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>